8月18日(土)
富士山表口五合目
以前にも書いたがカーナビで富士山五合目を検索するとほとんどが吉田口、
スバルライン口を表示してしまう。一部に表富士宮口五合目で検索すると
富士宮口を表すものもある。だからという訳ではないが、富士宮口では表富士宮口とか
表口五合目という表現も用いられる。ところが時々、裏口に住むと思われる人
から「何で表口と言うのか」とクレームが付く。
この表口の表記は今に始まったものではない。山梨県富士吉田市にある新倉山正福寺が所蔵する、
富士吉田から山頂への信仰施設を描いた『八葉九尊図』に「するが口表」という文字がある。
浅間大社に残る『浅間文書纂』でも富士宮口の表に対し富士吉田口は裏口と
記されている。1814年の『甲斐国志』には「登山路ハ北ハ吉田口、南ハ須走口・
村山口・大宮口ノ四道ナリ、・・・・・南面ヲ表トシ、北面ヲ裏トスレドモ、・・・・・」という
記述があるそうだ。日本列島も表日本・裏日本という呼び方がある。
甲斐の国の人々は何の抵抗もなく駿河の登山口を表、甲斐の登山口を裏と認めていた
ことは容易に推察できる。
表と呼ばれた富士宮口は地味な佇まいだがスバルライン口は裏というには
余りにもド派手な観光施設が建ち今では表の3倍近い登山者で賑わう。
PR