富士宮口から富士山を見上げる

9月10日（月）


　　　今朝の富士山

今朝も富士山はくっきり見える。観光協会での仕事も今日で終わり。
富士山の夏山シーズンもあっと言う間に終わってしまった。
朝、登山組合の組合長さんが来ていろいろ話してくれた。富士宮口から
登山した人は約７万人、天気が良い日が多く登山者数は一昨年くらいには回復
した模様。富士宮口は八合目直下と頂上下が渋滞するので７万人くらいが限度。
一番距離の長い御殿場口からの登山者は今年大きく伸びて３割増し
くらいだそうだ。私の知る範囲でも御殿場から登ったという人が増えた。
富士宮口の救助要請は14件、大きな事故がなくて良かったとのことだ。

自分の資格喪失届や離職証明書等、ハローワークに提出する書類を準備した。
この３年間、富士登山ナビゲーターのおかげで１年のうち10ヶ月弱が休日、
残り2ヶ月強を勤めるというサイクル。夏の暑い盛りを五合目の仕事に就けるのは
幸せであり、拘束時間と適度な緊張感が良い刺激になる。これからまた毎日が休日の
生活が始まる。
今日、上から記事に間違いが在るから削除しろという命令があった。迷惑を被られた
方にはお詫びを申し上げます。このブログは今日で終わりにしますのでこれからは
間違いがないかと思います。今まで拙い文をご愛読いただきありがとうございました。

9月9日（日）


　　　　　西臼塚から

一昨日あたりに見た天気予報で今日は雨マーク、でも、今朝は今夏一番と言える
ような天気。西臼塚に車を止めて写真を撮った。五合目に行くと下り線の路上駐車が
1.7kmで昨日より長い。その車のほとんどは昨夜のうちに富士山へ登った人達の車と思われる。



一方通行の駐車場の空きスペースを探して指導センターの前の車はほとんど
動かない状態が続いた。マイカー規制の日数が増えた分、マイカー規制が
掛からない日に上ろうとする人が9月にずらして来ている様子。
山頂を目指す人には6合目より上は山小屋が全部閉まりトイレが使えないことを伝えた。

山梨側で登山ガイドをやっているSさん、何年かOLをしながらガイドの仕事もやって
来たが、今年は登山ガイドだけにしたそうだ。でも、もう今夏の登山ガイドの仕事も終わり。
これからどうしようかと考えていたが、年寄りは年金を貰いながらなので気楽。
今年の富士登山ナビゲーターをやってくれた佐野君、中国語と英語が話せるので
ナビゲーターには打って付け。「でも来年はもう来るなよ、こちらはありがたいけど」と話をした。
『富士山が好き』というだけでは若い人は食って行けず、自分探しの秋が始まる。

昼頃からは山頂を目指す人はほとんどいなくなった。宝永山へ行く人と五合目まで
の観光客になったが駐車場は車やオートバイで終日混雑していた。

9月8日（土）


　ここは登山者の通路です

もう、富士登山ナビゲーターの仕事は終わったのだが、登山道の閉鎖は10日の正午。
週末の五合目の混雑が心配なので観光協会で昨日と今日・明日の3日間は指導センター
を開こうと相談した。スカイライン登山区間を上って行くと予想通り、駐車場から
1kmほど路上駐車の列が・・・。
9月2日までの契約なので無理してやる仕事ではないのだが、2ヶ月間もやると
愛着が湧いて放っておけなくなってしまうというのが実情。ちょっと目を離すと
登山者の車で身障者用の駐車スペースが埋まってしまったり、登山者用の通路でも
関係なく駐車（上の写真）する輩がいる。なので、なるべく登山者の通路、身障者用の
駐車スペースの近くに立って案内をしなければならない。



反省会でナビゲーターの石川さんから「ゴミが散乱していると他の人も捨てやすくなる、
きれいにしておいた方がゴミを捨て難い。なので時間があればゴミ袋を持って拾って
歩いた」という話が出た。なので私も駐車場のゴミ拾い、1周1kmを拾って歩いた
のが写真のゴミ。何とも呆れてしまったのが写真手前にある蓋付きのポリペール
の空き箱。不要になった空き箱は富士山に捨てて、家のゴミは蓋付きのポリペール
に入れているのだろう。

今日も吉田ルートの七合目に予約してきた3人組の登山者が「ここから行けますか？」
と言って来た。キャンセル料を取られるが吉田の山小屋を解約してご来光山荘を予約
するしかない。ご来光を見たいと午後3時、4時から登ろうとする登山者、もう
夜間登山の時期ではないと説明するがここまで来て諦める筈もない。出発を21時、
22時に遅らせるように言う。

富士登山ナビゲーターは三交代、体は非常にきつい。でも、それ以上に楽しい事があるし
やりがいもある。なので、今年ナビをやった人へのアンケートでも、回答してくれた人全員が
来年もこの仕事があったら、またやりたいと答えた。

9月7日（金）


今日も登ってます

昨夕17時頃、観光協会へ大阪からの大学生3人組が富士山へ登って
ご来光を見たいと言ってきた。もう、夜間登山の時期じゃないから六合目
へ泊まって早朝から山頂を目指した方が良いよとアドバイスした。
昨夜は麓ではひどい雷雨、昨日の3人組はどうしたかなと気にしながら
五合目に行った。朝のうちはすごく良い天気だったのだが、10時過ぎると
ガスが出て曇ってきた。それでも写真のように何組かの団体客が登って行った。
九合五勺の胸突山荘は予約客で満室との事だった。

下山して来た人に聞くと昨夜は九合目がミゾレ、山頂は雪だったそうだ。
夕方下りて来た人も山頂には昨夜の雪が少し残っていたと言う。
今年の初雪は6日だった模様。山頂の測候所が無くなってから富士山の初雪は
ニュースにならなくなった。と言うより山頂に気象庁の職員がいないので初雪は
確認のしようがない。なので富士山の雪は麓から観測できる初冠雪が報道される。
今日は一日中、五合目にいたが昨夕の3人組とは会えず仕舞い、ちょっと気になる。

9月6日（木）


五合目に咲くキオン

今日は富士宮市内から富士山は見えません。富士山はキオンがだいぶ
下がって来ました。「今度の週末に富士山に登りたいけど」という電話が
かかって来ますが「来年にした方が良いと思います」と答えています。

吉田口に電話して17日まで小屋がやっていると聞いたお客様、富士宮口へ
電話を掛けてきて「富士山に一番近い新幹線の駅は何処だ？」と聞いてくる。
なので「新富士です」答えると「新富士から吉田口までタクシーでどれくらい？」
こうしたお客様、「富士山の山頂はもう冬ですよ」と言うと何故か不満げ。
富士山に行くのに富士山周辺の地図が分かっていないお客様、富士登山は
初めてのお客様の登山は是非、来シーズンにして欲しいと思います。

今の時期に夜間登山を計画しているお客様からの電話もあります。今季は
もう止めて頂きたいと思います。とにかく初めての方は来シーズン、１泊2日で
ゆとりを持った登り方をして下さい。富士宮口は宝永遊歩道のコースを除くと
新七合目の御来光山荘と九合五勺の胸突山荘だけが８日の宿泊まで営業しています。

9月5日（水）


カラーコーン

今年、写真のような富士山を模したカラーコーンを数個作った。五合目に
置いたところ興味を持ってくれる人もいて記念写真を撮る人もいたそうだ。
このコーン、頭に被れるようにしたら面白いかなとも思うがちょっと重い。



宝永山から宝永火口へ下りる際、正規の登山道を通らず直線的に
下ってしまう人がいて、新しい下山道ができてしまっているとの情報。
火口へ下る道はかなり傾斜が急なのでジグザグに歩くよう道が付いている。
健脚な人はそれが煩わしいのだろう、砂走りを下るように真っ直ぐに下って
しまうので新しい道が出来てしまう。火口の斜面には所々に大きな石があり
転ぶと危険なのだが、通った跡があると知らない人はそこを下山道と間違える。
ここは山頂へ行く道ではないので県の土木事務所の管轄ではないらしい。
どこで整備しているのか、管轄はどこであれ正規の登山道を通ってもらえるよう
ロープ等で誘導するしかない。ロープがなくても遠回りでも安全のために
ジグザグに曲がった登山道を下って欲しいと思う。

9月4日（火）


雨上がり

今日は富士登山ナビゲーターを勤めた人たちと富士山に登る予定だった。
でも、一日も早く離職票が欲しい人もいる。明日はナビゲーターの
反省会があるので業務日誌にも目を通さなければならない。何やかやで
今日、遊んでいる場合ではない。私の都合で今日にして貰った富士登山
だが涙を呑んで不参加。

私が夏の間、富士山の仕事に就いて3年たった。それで感じたのは富士山には
怪物がいるという事。富士登山歴60年という天野さん、夏の間は富士山に
登りお鉢大王と呼ばれる小林さん。知名度抜群の実川さん、佐々木さん。
「実川さんや佐々木さんのように毎日は来られませんよ」と言って週に4～5日
は通っている斎藤さん、特筆すべきは二人の鈴木さん。一人は七大大陸最高峰の
最短期間登頂を目指しトレーニングしている鈴木さん、もう一人は仕事が三交代勤務
で仕事の合間に登っている鈴木さん、どちらも2時間半足らずで五合目から山頂を
往復し１日に2往復3往復している。
今日の静岡新聞夕刊に、片方の鈴木さんが富士山の4ルートを一筆書きで登り
新記録を出したという記事。『富士宮口→山頂→御殿場口→山頂→須走口→山頂
→吉田口→山頂→富士宮口』のコースを23時間54分28秒であるいたそうだ。
これまでの記録は、いつもヘルメットを被って富士山に登る戸倉さんの28時間30分
だったそうだ。私からすれば名前を挙げた人全員、怪物以外の何物でもない。

9月3日（月）


富士宮口のフジアザミ

昨年、富士宮口五合目への登山区間で2株のフジアザミが咲いた。
今年はそのうちの1株が草刈機で刈られてしまったらしく花が
咲かない。なので富士宮口では貴重な1株。

指導センターで使っていた発電機を業者が搬出に来るので
五合目へ行ってついでに大掃除。昨日で富士登山ナビゲーターの
仕事が終了したので不要になった書類やパンフレット類を全部運び出した。
その後、箒で掃いてから掃除機を掛け雑巾掛けをした。この建物は
富士宮市の物で我々は間借りの身、きれいにして返さなければならない。
そういえばFKKビューローというところも同じ間借りの身だと思うのだが、
指導センター開設前の掃除も我々だけだったなぁ･･･。

9月2日の土曜日は下り線の路上駐車の列が5kmほど繋がってしまい大渋滞。
今週末も混雑が予想されるので観光協会では人を配置しようと考えている。
なので、掃除の後にまた少しのパンフレット類を展示した。
一休みしているとイコモス御一行様、登山口での説明のあとで予定に無かった
指導センターへ来た。狭い建物、我々は外へ逃げ出したのでどんなやり取りが
あったのかは知る由も無いが調査員のディステファノ氏から
「シンプルできれいですね」
とお褒めの言葉をいただいた。大掃除が済んだ後で良かった！

9月2日（日）


雨の最終日

24時間体制で登山指導、観光案内をしてきた富士登山ナビゲーター
の仕事が今日で終わる。それで電気配線を片付けに6:30に家を出発
して五合目の指導センターに行った。
平地では大した事がない雨も五合目に上がると結構な吹き降り、下りて
来た登山者に聞くと「上は台風ですよ」「風が強くて登れなかった」
足元を見ると靴がグッチョリ「足がぬれると気持ちが萎えますね」という。
靴の中まで濡れてしまったという人がかなりの率でいる。
今朝の山頂の気温は0℃、足が濡れてはいくら高価な合羽でも台無し。
富士登山の際は登山靴も防水仕様のものが良いですね。夏山シーズンも
後半になるとなお更です。スパッツも靴に水を入りにくくします。

新七合目の御来光山荘と九合五勺の胸突山荘は9月8日の宿泊まで
営業します。宿泊の際は必ず予約してからお出掛け下さい。
2日以降、トイレは御来光山荘と胸突山荘が8日まで利用可能です。

9月1日（土)


ミス富士山の富士登山

最近、歳のせいか山に登るときに排泄が上手く出来なくて困っている。
若いときは何にも考えなくても良かったのだが、今は出掛ける前に
済ませないと心配。出ないまま出掛けると山で催してしまう。
富士山は9月になるとほとんどのトイレが使えなくなってしまい
雉打ちや花摘みをするには隠れる場所がない。
観光協会には「9月に登りたいのですが」という電話が頻繁に来る。
「山小屋が閉まってしまうとトイレがありませんよ」と答える。

日本気象協会の富士山の天気予報は昨日8月31日で終わってしまった。
夏山用に設置された山頂の携帯電話のアンテナも撤去された。
土木事務所は『6合目より上の登山道を10日の正午で通行止めにする』と発表。